第一報
2021年12月2(木) 午前 - 12月3日(金) 午後に神戸大学・惑星科学研究センター(CPS)にて掩蔽観測ワークショップを開催いたします。掩蔽観測のご興味のある方はどなたでも参加できます。どうぞご参集ください。
第一報
2021年12月2(木) 午前 - 12月3日(金) 午後に神戸大学・惑星科学研究センター(CPS)にて掩蔽観測ワークショップを開催いたします。掩蔽観測のご興味のある方はどなたでも参加できます。どうぞご参集ください。
掩蔽観測ワークショップ
開催趣旨
近年、Gaiaの観測で恒星の位置精度が格段に向上し、PanSTARRSのような全天サーベイで小天体の軌道精度が日々改善されています。さらに、2023年よりサイエンス運用を開始する予定のVera C. Rubin Observatoryでの8.4m望遠鏡を使った全天サーベイが開始されれば、より小さい小天体の正確な軌道決定もなされると期待され、今後掩蔽予報の数も精度もますます高まると思われます。予報精度が高まれば効率的な観測体制を組むことが可能です。
日本にはすでに掩蔽観測のネットワークがアマチュア観測家を中心に構築されており、これまでに数々の観測を成功させ、国際的にも評価されています。一方、研究者は、掩蔽の予報精度が低くて観測効率が悪いことから、掩蔽観測に積極的に関わる人は少数でした。でも、前述のように予報精度は急速に改善されつつあります。
一つ例を挙げると、10月3日(UT)にJAXAのミッションターゲットの天体(小惑星Phaethon)をアマチュアとプロとが協力し、非常に正確の予報のもと観測を成功させ、みごとにPhaethonの大きさを決めることができました。
また、最近いくつかの小天体で環やコンタクトバイナリー形状が掩蔽観測によって検出されました。大望遠鏡を使って直接天体を見ようとしても見えない遠くの小さい外縁天体の検出も報告されています。
このように、太陽系小天体による掩蔽現象の観測は、太陽系小天体科学の新たな進展に寄与し得る手法として重要性が高まっています。一方で、科学価値の高いデータ取得のためには多地点での観測が不可欠であり、観測者の確保が急務となっています。
そこで、今まさに掩蔽観測体制を整える好機にあると考え、このワークショップを主催いたします。
このワークショップは主に研究者、教員、学生などを対象とし、小型望遠鏡を用いた太陽系小天体の掩蔽観測実行に必要な知識・機材・手順を学びます。掩蔽観測の経験がない、またはより深く勉強したい方を対象とした内容となります。
そして、最終的には観測キャンペーンに参加して、一緒に観測してくれる観測者を育てます。
今回は、観測にもワークショップにも高校生が大勢参加してくれました(ワークショップの全参加者38名。このうち大学生9名、高校生8名、他21名)。おかげさまで雰囲気が大いに若返り、我々も元気をもらいました。
赤穂海浜公園オートキャンプ場での高校生たちの観測の様子の記事https://www.ako-minpo.jp/news/18388.html